男の妊活、精子じゃなくて精液にそのカギがある!

株式会社ダンテインタビュー。

株式会社ダンテ

男の妊活、精子じゃなくて精液にそのカギがある!

世界初の精液成分分析を行う株式会社ダンテ インタビュー

取材・文:Coel運営チーム

掲載日:2017年10月27日

2017年10月6日、「男の未来を打ち上げる」という衝撃的なキャッチコピーを掲げて記者会見を行った会社がありました。その名は、株式会社ダンテ。精液に特化した検査と研究を行う会社で、現在、精液を男性の検査として確立させるための精液検査プロジェクトのクラウドファンディングに挑戦されています。

彼らの研究によると、男性の生活習慣が“精液成分”に大きな影響を及ぼしており、これがさらに妊孕性にも関係しているとのこと。今後の研究で、妊娠率を高めるために男性側にできることが明らかになっていくようです。これはもしかして、男性不妊の新たな救世主となるのか?はやる気持ちを抑えながら、お話をお伺いしてきました。

インタビューにお答えいただいた、株式会社ダンテ 代表取締役CEOの瀧本陽介様(写真右)と、営業企画部の増田隆昌様(左)

インタビューにお答えいただいた、株式会社ダンテ 代表取締役CEOの瀧本陽介様(写真右)と、営業企画部の増田隆昌様(左)。キャッチーなパッケージの精液検査キットを持ってパチリ。

世界初の精液の成分分析を行うベンチャー企業

——男性の不妊検査と言えば射出した精液から精子の数・運動率を見るのが一般的ですが、ダンテさんでは精子ではなく精液を見ることに重きを置き、今回のプロジェクトを始められたのですね。

はい、元々は名古屋大発のベンチャーである(株)ヘルスケアシステムズにて食生活と疫病予防の繋がりを研究し、郵送検査や受託検査を行っていました。ある日、学会にて順天堂大学医学部教授である堀江(現在は(株)ダンテの取締役CMOを兼務)から精液成分の検査はできないかと質問されたのがダンテの始まりです。

既に畜産分野では精液成分の解析が行われており、精液中に精子の運動性を決定する要因があることが分かっています。研究結果に基づき豚の人工授精用の精液希釈液が開発され、全国に普及しています。

しかし、人間の場合は精液検査を行う機会がそもそも限られており、病院での一般的な検査や健康診断では通常採取されません。また、不妊検査で調べるのは精子の数と形態で、精液成分は測定されていません。これは、血液検査でいうコレステロールや血糖値のような成分検査が全くない状況といえます。

精液検査結果

(Coel)こちらは過去記事「独身ですが、精液検査に行ってきました。」でAさんが行った精液検査の結果。確かに、「精液」検査を行っても実際に見ているのは主に「精子」のようです。精液について調べているのは、その量、pH、白血球の3項目に限られています。

我々のこれまでの研究の結果、精液は男性の体力低下やホルモン不足、さらにはがんリスクを如実に反映することが既に分かっています。テストステロンなど、血液中よりも精液中の含有率が高く、状態をより正確に反映しうる項目もあります。こうした事実を基に、まずは一般男性の検体(精液)を広く集め、精液検査データベースを確立させるべく立ち上げたのが今回のプロジェクトです。

——ダンテさんの精液検査を受けると、どんなことが分かるのでしょうか?

今回は、4つの検査項目を用意しています。精液中の亜鉛検査、テストステロン検査、スペルミン検査、そしてクレアチン検査です。

亜鉛は前立腺に最も多く存在し、精子形成に不可欠な元素です。精液量や精子運動率、正常形態率との関係が知られていて、不妊との関わりが注目されています。

テストステロンは男性ホルモンの主な構成成分で、筋肉の量と強度を保つのに必要です。性欲をおこすほか、集中力やリスクをとる判断など高次精神機能にも関係します。年齢と共に分泌量が低下し、精子運動率や精子量とも関係があります。

スペルミンは細胞分裂やタンパク質合成などの活動に関わっているポリアミンの一種で、精子形成にも重要です。

クレアチンはアミノ酸からできていて、エネルギー源として筋肉中に蓄えられています。精液中では受精に必要な精子の持久力を高めるはたらきがあります。

この4項目を検査し、妊活成功のためのポイントをご提案します。妊活を行っていない人にも役立つよう、男性ホルモンを上げて健康でいるためのポイントもお伝えします。

精液精液プロジェクト

——つまり、精液を検査したら、妊娠しやすくなるアドバイスをもらえるのですか?

はい。既に病院等と連携し、不妊患者の方々の精液成分を研究していますが、このプロジェクトを通じて一般の方々の精液検査データベースを構築することでエビデンスを作り、一人一人の状況をアドバイスさせて頂きます。

例えば、精液のコンディションは測るたびに変わります。家畜では暑さなど季節によって影響する成分が知られています。どんな時にコンディションが上がるのか解明することで、妊娠にとって最適なコンディションの精液を用意できるようなアドバイスまでつなげていきたいですね。

——確かに、比較対象となる「平均値」がないと自分の状況が分かりませんね。

この検査では、全体平均値と比較したあなたの「男性年齢」を算出します。

——男性年齢!初めて聞く言葉です。

女性にとっての「肌年齢」のようなものを想定してください。男性としての現在のコンディションを知るための参考値としてお伝えします。

妊孕性を見るのは重要なことですが、その他にも男性の悩みとしてED、前立腺がん、男性更年期などがあります。更年期について、テストステロン(男性ホルモン)の値は女性ホルモンと異なり緩やかに下がっていくため、男性更年期の始まりは女性よりも分かりにくくなっています。精液成分の検査はこれらに対しても助けとなれると思っています。

精液の郵送検査とは

——今回の精液検査について具体的に教えてください。

2タイプの精液検査を用意しています。精液検査ライト(5,000円)では亜鉛とスペルミンの2項目を、精液検査フル(9,000円)ではテストステロンとクレアチンを加えた4項目を検査します。検査パッケージを郵送しますので、検体(精液)を採取・送付して頂きます。その後、検査結果とプロジェクト報告書を2018年3月下旬頃から順次お送りします。

このほか、医療関係者の方向けに研究報告書つきのプランやスポンサープランを用意しています。

いずれもReady forのサイトから申し込むことができます。

——なぜ郵送検査なのでしょうか?最近はスマホで行う精液検査も出ていますが。

現時点では、前述の4項目を正確に検査するには郵送で検体を直接調べる必要があります。自宅で調べてその場で結果を出すことが可能な項目もあるのですが、その場合は検査キットの値段が高額になってしまいます。

私(瀧本氏)が代表を務める(株)ヘルスケアシステムズではこれまで食塩摂取量、酸化ストレス、エクオール、腸内フローラを尿・便から検査する郵送検査キットを開発してきました。このノウハウを今回の精液検査でも活用しています。

男性は病院にはなかなか行きたくないもの。自宅で調べることができるので、女性の方からパートナーに是非勧めて頂きたいですね。

精液検査で男の妊活を変える

——最近、妊活に対する男性の意識を変えるようなメディアの記事やサービスが出てきて嬉しい限りです。

私自身(瀧本氏)も不妊治療を経験していますが、これだけ不妊に悩む人がいるのに患者さん向けのサービスの対象は女性ばかりです。男性側にできることはほとんどありません。そんな「男の妊活」を変えていきたいと思っています。

今回のクラウドファンディングでは、まず一般男性のサンプルを集めることが目的です。エビデンス構築のため、500人の検体を集めたいと思っていますので、ご協力頂けますと幸いです。

——最終的にはどんなサービスを目指していますか?

精液検査は痛みを伴わず簡単に実施できます。精液は唾液や尿よりも多様な成分から構成されており、良質な検体です。生殖器周辺の状態はもちろんのこと、体全体の状態を示す可能性があり、無限の可能性を秘めた検体なのです。

弊社の精液検査では、最終的に2,000-4,000円程度まで価格を下げ、郵送後1-2週間で結果が分かるものを目指していきます。たくさんの方に受けて頂けるようになれば、値段を下げることができます。若い男性がまずは興味本位でもよいので自分の状態を知ってくれたらうれしいですね。

健康関連の検査を受けている方の大半は女性です。しかし、現実には例えばメタボは男性の方が多く、本来は男性こそ関心を持たなければならないはず。精液検査をきっかけに、男性も自分の健康や妊孕性に関心を持ってもらえることを目指していきます。

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