独身ですが、
精液検査に行ってみました。
独身ですが、精液検査に行ってみました。
男性不妊専門クリニックの恵比寿つじクリニックでの精液検査:10,800円也。
取材:Coel運営チーム
文:Aさん
掲載日:2017年2月28日
不妊の原因の半分近くは男性にある、という衝撃的な事実はここ数年でだいぶ知られることとなりましたが、不妊治療中の女性と話すと「パートナーの理解が得られなくて・・・」「夫がなかなか検査に行ってくれなくて・・・」という悩みはまだまだ多く聞かれます。男性の検査なんて、精液を出すだけなので超簡単・あっという間じゃない、と不妊検査に快く同行してくれた夫を持つ私は思ってしまいますが、一般的には女性よりもデリケートな男性陣、気軽に行けなくて当たり前、なのでしょうか。
今回、男性がもっと不妊治療に積極的になること、自分の精子の質に関心を持つことを目指し、若い男性(Aさん)に声をかけ、男性不妊専門クリニックでの精液検査にお誘いしました。快諾してくれたAさん、果たしてその検査結果は?!?!
■精液検査はオンラインで予約し、禁欲期間を置いて準備。
友人からいきなり精液検査を頼まれ、一瞬驚いたものの承諾した。結婚し、子作りを始め、1年たっても妊娠しなかったら夫婦で不妊検査を、というのが通説だが、まさか独身のうちに検査を行うことになるとは。でも、こんな機会でもなければすることはなかっただろうし、失うものはないのだからとりあえず行ってみることにした。
検査を行うのは、男性不妊で有名な恵比寿つじクリニック。病院のホームページの検査予約フォームから予約を入れ、すぐに返信を頂き検査日時が確定した。
当日は、禁欲期間として2~3日空けてくるようにとのこと。検査結果は1時間ほどで出るそうなので、当日待って結果を聞くことにした。
■いざ、クリニックへ!
いよいよ検査当日、緊張しながらクリニックへ向かう。恵比寿駅 から5分ほどの場所にあるオフィスビルの3階へ。クリニック内 は明るい雰囲気で、待合室では他の患者と顔を合わせにくいように テーブル・椅子が配置されている。
受付の女性から渡された問診票 を記入し、自分の順番を待つ。ただ受付をするだけなのだが、 相手が女性だと少し気恥ずかしい。しかしそんな私の心の内を 気にするはずもなく、受付の女性は淡々と受付処理をしてくれた。
問診票の内容はこちら。多少個人的な内容が聞かれるものの、恥ずかしいというほどではない。
受付では問診票と共に番号札が渡された。名前の代わりに番号札に記載の番号で呼ばれるので、プライバシーへの配慮は安心だ。
■ついに精液検査を実施。
完全予約制のため、ほとんど待たずに自分の番が訪れた。診察室で辻先生から精液検査の簡単な説明を受けた後、精液採取室へ案内された。
ドキドキしながら入室すると、そこは十分なスペースが あってリラックスできる空間になっている。本やDVDもある。 とはいえ、実際にはこんなところで精液を出したことはないので、 とても完全にはリラックスできるものではない。それに、なんだかこういう形で 射精をするのは少しせつない。それでもここで出せないともっと恥ずかしいと自分に言い聞かせ、無事に採取することができた。
検査室は精液採取室に隣接しており、精液を採取した容器はそのまま置いて部屋を出た。
検査結果が出るまでの間は外出しても良いとのことだったので、ランチをとりに出かけることにした。さて、結果はどうなることか。。。
■検査結果。
再び診察室に入り、辻先生から検査結果の説明を受けた。用紙に自分の結果とWHOの精液検査ラボマニュアルに記載の基準値が書いてあり、各項目を比較しながら詳しく説明して頂いた。
心に若干の不安を抱えつつも、全く問題ないだろうと思っていた私だったが、残念ながら基準値に満たない項目が。急に、 子供ができなかったらどうしようとか、プロポーズの前に彼女にこのことを言うべきかとか、親に孫の顔を見せられないのかとか、いろんなことが頭の中を駆け巡った。しかしそんな私の様子に気づいたのか、辻先生は私を安心させる言葉をかけてくれた後に、どの項目がどういう理由で問題なのか、理論的に教えてくれた。そして、今後子供を持ちたいのであれば、ぜひ精密検査をするようにと勧められた。
自分の精子の状態を知ることは、なんだか健康診断の結果を伝えられたとき以上にずしりとくるものがある。それはこの精子から1人、2人、あるいは3人の命が生まれる可能性があるということを本能的に感じているからなのかもしれない。
一方で、今回思いがけず問題が見つかったのは良かったと思う。まだ見ぬ妻に対して今できることをしたという充足感もある。辻先生から、将来子供が欲しいなら早いうちに詳しく調べたほうが良いとアドバイスを受けたので、精密検査を考えてみようと思う。尚、精液検査の代金は10,800円。
ちなみに、辻先生によると精液検査の下限基準値(これ以上はないと妊娠が難しい、という最低限のレベル)は以下の通り。精液の量から始まり、濃度、数、運動率など多岐にわたる項目で基準値が設けられている。
精液量 | 1.5ml |
---|---|
pH | 7.2 |
精子濃度 | 1ml中に1,500万個 |
総精子数 | 3,900万個 |
精子運動率 | 32% |
精子正常形態率 |
4% |
精子生存率 | 58% |
白血球数 | 1ml中に100万個 |