スマホで精液検査

スマホで精液検査:病院での検査結果と比べてみた。

Seem、TENGA MEN’S LOUPE、そして病院での精液検査。一番のおすすめは?

文:Aさん

掲載日:2017年5月26日、更新:2017年10月20日

以前、「独身ですが、精液検査に行ってみました。」にてレポートした通り、男性不妊専門クリニックでの精液検査を行ったAさん(30代独身)。検査結果は「問題あり」。医師から精密検査を勧められ、思いがけない結果を目の当たりにしてショックを受けました。しかし、独身のうちに自分の精子の状態を認識することができたので、これから生活習慣の改善やサプリメントの摂取などによりゆっくりと改善を目指していくそうです。

男性陣はなかなか病院での精液検査に足を運びません。Aさんも、自身の体験を基に何人かの友人に検査を勧めてみましたが、実際に行った人は今のところいません。皆、どこか他人事と思っているのか、それとも、やはりどうしても恥ずかしいのか・・・。 そんな友人たちのために、Aさんがさらに一肌脱いで、スマホ精液検査キットを試してくれました。本当に簡単に検査ができるのか、どれだけ正確に精子の状態を知ることができるのか、病院での検査結果と比べてまとめてくれました。どうか一人でも多くの人が、自分の精子の状態に関心を持ちますように。

■スマホ精液検査キットとは?

恵比寿つじクリニックでの衝撃的な精液検査からまだ数日しかたっていないが、今度はスマホで精液検査をやってみることにした。まさかこんなに短期間に何度も精液検査をする羽目になるとは、本当はちょっと憂鬱である。でも、こんなに真剣に検査をする僕の姿を見て、だれか一人でも自分もやってみようと思ってくれることを願い、もう少し頑張ってみることにした。

昨年発売されたスマホ精液検査キットは、スマホで精液を撮影してその中の精子の状態を見る簡易的な検査キットである。リクルートライフスタイルさんからはSeem、TENGAさんからはTENGA MEN’S LOUPE(以下“TENGA”)という商品が発売されていて、どちらもAmazonで誰にも気づかれずに購入することが可能だ。(ちなみに、Seemはビックカメラでも購入可能である。)まずは、TENGAからやってみることにした。

■TENGA MEN’S LOUPE

価格
4回分で1,620円(税込)。
使い方
  1. 付属のカップに精液を採取する
  2. 透明シールをプレートの裏に貼る
  3. ルーペ本体をスマホのバックカメラにつける
  4. 5分程度置いた精液をスポイトで採取し、2で貼った透明シールの粘着面側に垂らす
  5. スマホのカメラをビデオモードにして観察する
検査結果

撮影した動画で、精子と思われるものが動いている様子を確認することができた。精子の量や運動率はこの検査では分からず、そこに存在し、動いている姿を観察するのみである。少なくとも、無精子症ではなさそうだということは確認できる。

尚、パッケージに顔写真が載っている泌尿器科医の小堀善友先生が精子の数え方のポイントをまとめていた。僕は対象機種外だったため数え方がイマイチ分からなかったが、こちらを参考にしてほしい。

■Seem

価格
1回分で7,538円(税込)。(現在、Amazonでは価格が下がり、5,378円で販売されている。)
使い方
  1. 専用アプリをダウンロードし、キットのQRコードを読み取る
  2. 付属のカップに精液を採取する
  3. 15-30分程度置いた精液を採取棒ですくってレンズに垂らし、カバーガラスの中に広がるのを待つ
  4. iPhoneのフロントカメラに乗せて撮影する
  5. アプリ内で情報を送信して濃度、運動率を計測する
検査結果

TENGA MEN’S LOUPEと同様に、撮影した動画で精子と思われるものが動いている様子を確認することができた。更に、この動画を基に精子濃度と運動率が計測され、WHOの基準値との比較を行った。

パッケージ内には1回分のキットしか入っておらず、複数回検査するためには別途購入する必要があるが、検査を複数回行うと、計測結果の推移がグラフ化された。

2回受けてみたところ、以下のような結果が出た。
  精子濃度
(10^6 /mlあたり)
運動率
病院での検査 12 33%
Seem 1回目 60.1 41.2%
Seem 2回目 14.2 25.0%
WHO基準値 15以上 40%以上

1回目の数値はWHO基準値を上回っており問題なさそうな数値とも思えたが、病院での検査結果と精子濃度・運動率共に大きく向上していたので、果たして正しい計測結果なのかと疑問に思った。ちなみに、病院での検査結果を踏まえて何かサプリを飲んだり生活習慣を改善したりしていたわけではない。医師に確認すると、精液検査の結果は当日の健康状態や精神状態によって大きく変動するため、一度の検査結果で判断せずに、再度検査を行うことを勧められた。実際に、Seemでも複数回の検査を行うことが推奨されていた。よって、キットをもう1つ購入し、数日後に2回目に挑戦したところ、病院での検査結果と比較的近い数値、要は「問題あり」な結果が出た。

■TENGAとSeemを比較して。

扱いやすさはTENGA。

Seemは紙製の採取棒に対し、TENGAはスポイトが付属していて、しっかりした感じがある。

また、採取した精液を観察するために、Seemはカバーガラスの間に流し込む手順で、正しく流し込めているのかどうかに不安があるが、TENGAはシールの上に乗せるだけで良いので扱いやすい。

TENGAにはシールが4回分ついていることも、失敗してもやり直せるという安心感を与えてくれる。

結果のわかりやすさはSeem。

Seemは結果が数値で出てくるのでわかりやすい。WHO基準値と比べることで自分の状況を素人ながら知ることができる。複数回分購入すれば、経過をグラフで見ることも可能だ。

一方、TENGAでは結果数値は計測されない。動画で精子の様子を観察できるが、専門知識がないとその動画が何を意味するのかがわからず、不妊対策としてはこれだけでは役に立たなさそうである。4回使えるので、変化をみるような使い方はできるだろう。

どちらも照明・ピントにシビア。

照明の具合によって、動画の映り方がかなり変わってしまう。どちらでもレンズの位置を動かさずにいろいろ試行錯誤しなければならないところが難しい。

Seemはフロントカメラを使うので、ディスプレイを見ながらの調整がしやすいが、TENGAはバックカメラを使うので、レンズとカメラ、スマートフォンと照明の位置関係を決めるのが難しい。

(Seemでも説明書ではフロントカメラを使うことになっているが、手持ちの機種ではフロントカメラではうまく映らなかった。バックカメラを利用するとより大きな画角で観察できるとあったので、バックカメラを利用した。)

■病院での精液検査と比べるならば、僕なら黙って病院へ行くが・・・

Seem、TENGA共に、照明とピントのセットアップには手間がかかった。また、真剣に妊活を始めようという人にとって、TENGAの「精子の動画を観察するだけ」のサービスはおそらく不十分に感じるであろう。一方で、Seemの約 6,000円に対し、精液検査10,800円(恵比寿つじクリニックの場合)であれば、僕ならば恥ずかしさを押し殺して病院へ行くだろう。病院では、精子濃度・運動率以外に、総精子量、正常形態率などの数値も計測することができ、医師からのアドバイスももらうことができる。

しかしながら、病院へ行くことの心理的なハードルの高さは個々人によって大きく異なる。何も困っていることがないのにいきなり病院へ行く、ということがどうしても受け入れられない人もたくさんいるはずだ。そういう方々にとって、誰にも知られずに検査をすることができるこれらスマホ検査キットは、妊活の第一歩を後押ししてくれるに違いない。奥さんが買って夫に冗談半分で渡してみたり、軽い気持ちでとりあえずやってみる、というスタンスで使うのが良いだろう。

但し、検査は必ず複数回行うことをお勧めしたい。僕の検査結果を見ても、数値がどれだけぶれるものかお分かりいただけると思う。たとえ、1回目の検査結果が良好だったからといって、自分には問題がないと信じ込んでしまうことは大変危険である。本当は問題があるのに、たまたまその日のコンディションが良く、良い数値が出る、ということは僕の事例が示すように十分に起こりうる。少なくとも2-3回は検査を行うこと。となると、Seemの検査費用は1万円を超えてしまうが・・・。発売開始時の約7,500円からは2割程度値引きされたが、複数回使用するにはまだまだ高い。3個パッケージで1万円ジャスト、ぐらいになることを期待したいところだ。

■結論

  • 精子がいるかどうか見てみたいならTENGA
  • 精子の状態を気軽に調べてみたいならSeem(但し必ず複数回調べること!)
  • 本気で妊活するなら病院へ!

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