目指すは気軽に来れる不妊治療クリニック。

杉山産婦人科新宿/丸の内
杉山力一理事長へのインタビュー。

目指すは気軽に来れる不妊治療クリニック。

杉山産婦人科新宿/丸の内 杉山力一理事長へのインタビュー

取材・文:Coel運営チーム

掲載日:2018年8月22日

杉山産婦人科は、産婦人科として70年超の歴史を持つ老舗クリニックです。現在理事長を務める杉山力一先生が、大学病院等での勤務を経て祖父から病院を引き継ぎ、2000年に体外受精専門のクリニックを開業させたのが不妊治療クリニックとしてのはじまりです。それ以降、高度生殖医療・内視鏡手術から分娩までをシームレスに診ることのできる数少ないクリニックとして、また、無痛分娩や日帰り内視鏡手術、未受精卵凍結保存など、時代のニーズに合わせたサービスを提供するクリニックとして、多くの女性たちの支持を得てきました。

今年1月には新たに新宿に生殖医療専門のクリニックを開業し、不妊治療は丸の内及び新宿にて受けられるようになりました。今回は、杉山理事長にクリニックの概要につきお話をお伺いしました。

——今年、働く女性をメインターゲットとする病院を新宿で開業されましたね。

杉山産婦人科新宿の総合受付・待合室。ホテルライクの穏やかな空間で、Wi-Fiも完備されている。

杉山産婦人科新宿の総合受付・待合室。ホテルライクの穏やかな空間で、Wi-Fiも完備されている。

そもそもは働く女性をターゲットとしていたわけではなかったのですが、働く女性の患者さんが(世田谷・丸の内で)圧倒的に増えてきました。元々、日曜も診療を行っていたということもあり、働く患者さんが集まってきていたのでしょう。数年前に500名の患者さんにアンケートをとり、不妊治療を行う上で何が負担となっているか聞いてみたところ、1番が時間、2番がスケジュール、3番が費用との回答でした。この結果を参考に準備やスタッフとの交渉を進め、今年新宿を開業しました。土日・祝日も診療していますし、朝の採血は8時から、また月・水・金は19時まで診療を行っています。実際に、新宿では仕事帰りに訪れる患者さんが多くいらっしゃいます。

——現在のART(体外受精・顕微授精などの高度生殖医療)患者/一般不妊(タイミング法・人工授精)患者の割合はいかがでしょうか。新宿が開院し、ART患者が増加していますか?

現在は、患者さんの約7割がARTを受けています。その比率は年々増えてきています。一方で、タイミング法や人工授精の患者さんの割合は2-3割です。

他院からの転院の方も増えてきています。

——貴院の主流である準自然周期法について、なぜこの方法をベストだとお考えなのでしょうか?

<準自然周期法>

排卵誘発剤(内服、注射)を数回使用して、複数個を採卵する方法。誘発剤の効果には個人差があるが、内服+注射2回程度で採卵数は3-5個が平均である。

一度にできるだけたくさんの卵を採りたいということと、強い排卵誘発のデメリット、つまり副作用や通院頻度を抑えたいということのバランスを取り、この誘発法にたどり着きました。複数個の良好な受精卵をつくることで、余剰胚の凍結を目指しながら、卵巣過剰刺激症候群の発症を最大限抑制します。特に仕事をしながら不妊治療を行う場合には、この方法が適していると考えます。

準自然周期法の場合、通院回数は採卵周期、移植周期(排卵周期の場合)共に3回前後で済み、麻酔なしの場合は採卵後に職場に戻って働くことも可能です。

とはいえ、個人によっては他の誘発方法が最適な場合もありますので、ホルモン値、超音波所見、年齢、患者様ご本人の過去の治療実績などを基に、完全自然周期法やLong法、Short法またはAntagonist法などを用いることもあります。

——完全自然周期法についてはどうお考えですか?貴院では安価な特別料金(採卵から胚移植までで税別15万円)で実施していますね。

その適用条件として、35歳以下で月経周期の順調な方を対象としています。体外受精の必要性のさほど高くない方が、試しにやってみたいという時にお勧めしています。

排卵誘発を望まない場合、誘発剤を使用しても1個しか育たないと予想される場合(卵巣機能が弱い方)、過去に複数個採卵しても受精卵の質が悪かった場合、などが適応となります。

卵巣に負担がかからないので、何度でも、毎月でもトライが可能です。一方で採卵は1個のみですから、余剰受精卵は出来ません。

——新鮮胚移植の比率が他院と比較して比較的高いように見受けられますが、いかがでしょうか?

準自然周期法ではそこまで刺激が強くありませんので、そのまま移植できる状態であれば採卵周期に初期胚を移植します。しかし、刺激が強く出た場合や、複数の受精卵ができた場合には凍結し、翌周期以降に融解胚移植を行います。

最近は患者さんから胚盤胞培養を希望されることが増えてきており、約4割が胚盤胞となっています。胚盤胞の場合は、一度凍結し、翌周期以降に融解胚を移植しています。

——日帰り内視鏡手術について、その特徴を教えて頂けますか?

全ての方が日帰りで手術できるわけではなく、入院の必要のない症例に限定されるのですが、丸の内では腹腔鏡下手術及び子宮鏡下手術、新宿でも8月より子宮鏡下手術を日帰りで実施しています。日帰り手術が可能かどうかというのは、症例の状況に加えて、病院側の組織の問題も影響します。麻酔で麻薬を使わない、また夕方でも会計ができるようにすること等などにより、これを実現しました。

原因不明の不妊の方の中で、体外受精になかなか踏み切れない方、つまり自然妊娠のご希望が強い方には選択肢の1つとして内視鏡手術をお勧めしています。

——新宿では男性不妊症外来を新たに設置されましたね。男性不妊の患者さんが増えているのでしょうか?

男性不妊の患者さんは増えてきています。これまでは他の専門院に紹介状を書いていましたが、今後は新宿にて専門泌尿器科医が診察し、男女両方を診られるようにしました。MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)などの手術も院内で行います。今のところ、予約はとりやすい状況です。

——高齢の患者さんにはどのように対応していますか?治療の辞め時の考え方をご教示ください。

治療の辞め時は、受精卵が育たなくなった時だと考えています。体外受精・顕微授精を行う患者さんの4割が40代です。妊娠の難しさは治療を行うときに説明します。ステップダウンを勧めて、実際に妊娠するケースもあります。

——卵子の質は基本的には年齢に応じて低下するものですが、貴院では最近、卵子アンチエイジング外来を設置されました。とても話題になっていますが、治療により卵子の質が向上しうるのでしょうか?

卵子はミトコンドリアでできています。ミトコンドリアの機能を向上させることで卵子の質が向上し、妊娠率が上がると考えています。

当院には、日本では数少ない分子栄養学の免許を持つ医師が在籍しています。これまで、30代なのに卵子の質がなぜか非常に悪い方や、体外受精を4回行って妊娠できなかった方が自然妊娠したケースを見てきました。栄養学の観点から患者さんを分析し、食生活や生活習慣を見直して頂くと共に、サプリメントをオーダーメイドでつくっていきたいと考えています。

——貴院は未婚女性向けの未受精卵の凍結保存を行う数少ないクリニックの1つです。これまでの実施状況を教えて頂けますか?

これまで、200名ぐらいの方が卵子を凍結しましたが、実際に使用した人は2-3割程度でしょうか、今のところ少ないです。しかし、ニーズがありますので今後も続けていくつもりです。

——ちなみに、不妊ドックもあるようですが、これは未婚でも受けられるのでしょうか?

<不妊ドック>

  • ・血液検査:感染症各種検査、クラミジア検査、AMH・ビタミンD、TSH/抗TPO抗体
  • ・卵管造影検査
  • ・子宮鏡検査
  • ・生理中ホルモン検査
  • ・黄体期ホルモン検査

などを行う。全ての検査を行った場合、費用は総額で6-7万円程度となる。

はい、独身の方でも受けて頂くことが可能です。AMH検査のみ行うことも可能です(AMH検査のみ行う場合は、結果は郵送にて通知します)。

——新宿ではビル内に託児室を設置されましたね。2人目不妊の患者さんが多いのでしょうか?

2人目不妊の患者さんは非常に多いです。世田谷では外部の託児所と提携していましたが、新宿では院内に毎日3人のシッターさんが常駐するようにしました。今のところ希望すれば予約はとれる状況です。

新宿5Fにある託児室。預け時間に関わらず、1回1,000円(税別)で利用することが出来る。

新宿5Fにある託児室。預け時間に関わらず、1回1,000円(税別)で利用することが出来る。

——クリニックでの診療以外に、アプリの開発も行っていますね。どのようなアプリなのでしょうか?

杉山理事長監修の妊活/生理・排卵管理アプリEggs LABは専門医師が妊活/生理・排卵管理を教えてくれるアプリです。社会で活躍する多忙な女性の排卵・卵子保有数をマネジメント。あなたのもっとも効果的な妊活タイミングをサポートします。
杉山理事長監修の妊活/生理・排卵管理アプリEggs LAB。

Eggs LABはAMHを簡易的に計測するアプリです。これまでの治療実績上、AMHには年齢や月経の状況・期間等の傾向があることが分かっています。それをアプリで算定するものです。

また、生理や排卵のスケジュールも予測することができます。既存のアプリで排卵日を予測するものがありますが、患者さんを診療しながら比べてみるとずれていることも多かったため、医師監修にて作ってみました。使えば使うほど、アルゴリズムで正確に排卵日が特定できるようになります。

3か月間は利用が無料(4か月目より月額税込350円)ですのでぜひ使ってみてください。

——杉山産婦人科が今後目指していく姿を教えてください。

患者さんがさらっと気軽に病院に来れるようにしたいですね。そして、35歳で体外受精を行うことが普通になるようにしたいと思っています。

技術的には、これから着床前スクリーニングが日本で認められるようになるでしょうから、妊娠率を一層上げていくことを目指します。

杉山力一理事長

杉山力一理事長

1994年東京医科大学卒業。東京医科大学病院での勤務やセントマザー産婦人科医院での研修を経て、2000年2月に杉山レディスクリニックを開院。2007年9月、産婦人科総合施設 杉山産婦人科としてリニューアル。その後、2011年に杉山産婦人科丸の内、2018年に杉山産婦人科新宿を開院。

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