不妊治療連絡カードができました。
厚生労働省が、仕事と不妊治療の両立を支援するために「不妊治療連絡カード」なるものを作成しました。
このカードには、①不妊治療を行う人が増えてきていることや男女問わず原因となりうることなど不妊治療の概要、②目安となる治療スケジュール、そして③不妊治療を行うことを医師の署名つきで会社に申請する書類が含まれています。
②目安となる治療スケジュールに関する記載はとても具体的です。
たとえば生殖補助医療(体外受精・顕微授精)の場合は、月経周期ごとに
診察1回1-2時間程度の通院:4-10日 + 診察1回あたり半日~1日程度の通院:2日
が必要となると書いてあります。
卵胞チェックや血液検査、注射のための通院が4-10回、採卵が1回、移植が1回ですね。
前もって治療の予定を決めることは困難、ということも記載してくれています。
このスケジュールでの通院回数最大値として記載されている12回の半休を1か月の間にとるというのは極めて難しいことだと思います。
1か月間とって終わりなら良いですが、それが妊娠するまで毎月続く可能性がある。
しかも、妊娠したらつわりで休むかもしれないし、9か月後には産休・育休に入る。
不妊治療を行う人がよほど有能な社員か、もしくはよほど女性に優しい会社でない限り、こうした状況は歓迎されないでしょう。
隣に併記された男性の通院回数の目安を見ると、不公平感は増します。
月経周期ごとの通院回数の目安、
「0-1日」
と書いています。笑。たった1日!
本来であれば女性に付き添って通院すべきなので、同じようにmax12回の半休であるべきなんですけどね・・・
不妊治療は会社に申請する「病気」になっていく?
不妊治療を行うことを会社に申請する、というのは新しい取り組みです。
医師の署名付きで正式な診断書を提出することにより、職場の理解が進む可能性があります。
一方で、プライベートなトピックスである不妊をわざわざ会社に伝えたくないという方も多いでしょう。
提出することによって「不妊休暇」を堂々と取得できるようになるのであれば良いですが、そうしたサポート体制が整っている会社はまだまだ少ない現状です。
とはいえ、一部の比較的恵まれた職場環境にいらっしゃる方にとっては、この不妊治療連絡カードが治療を円滑に進める一助となることでしょう。
1か月に半休12回も取れない!という方の場合は、
・まず当然ながら自己注射を行わせてくれる病院(その代わり、自己注射の方が通常値段が高くなります・・・)
・完全予約制で、お昼休みにささっと卵胞チェックや注射に行ける、会社のそばの病院
・土日祝日診療を行っている病院
・早朝・深夜診療を行っている病院
を選び、出来る限り会社を休まずにやりくりしていくしかありません。
例えば、京野アートクリニック(品川)では平日朝7時半から診察を行っており、仕事の前に病院に寄れる方も多いのではないでしょうか。
また、1月に開業したばかりの杉山産婦人科(新宿)では平日朝8時から血液検査、8時半から診察を行っており、月・水・金は19時まで診察していますので、新宿近辺にオフィスがある人は帰りに寄りやすいですね。
とはいえ、こうしたやりくりにはストレスも疲労も溜まります。一緒に通院しない(であろう)パートナーの方々の役割が重要です。
女性をいかにねぎらい、リラックスさせるか、考えてみてください。