リプロダクティブヘルス

前述の山王病院不妊セミナーでは、堤院長からリプロダクティブヘルスの話がありました。

リプロダクティブヘルスとは、「性と生殖に関するすべての人々の生涯にわたる健康と権利」(国際協力機構 開発課題に対する効果的アプローチ リプロダクティブヘルス 2004年8月)のことです。

また、リプロダクティブライツとは、「すべてのカップルと個人が、自分たちの子どもの数、出産間隔、出産する時期を自由にかつ責任をもって決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという基本的権利、ならびに最高水準の性に関する健康およびリプロダクティブヘルスを享受する権利」(同上)のことを言います。

そして、リプロダクティブライツを守るのが生殖医療だと堤院長はおっしゃっていました。

 

私の友人は30代前半・後半の人が大部分で、独身/既婚/離婚、子あり/子なしと様々な状況にいる人たちです。

最近彼女たちと会うときは、私が子供を産んだということもあり子供関連の話題が多くなっています。

子ありの人たちからは、もう一人産むかどうかという話が結構な頻度で出てきますし、子なしの人たちからは、早く子供が欲しいという声、特に不妊治療になったら大変だから早く妊活したいという声が多く聞かれます。

今交際相手がいない友人たちの中にも、早く子供が欲しいと思っている人は何人もいます。

不妊治療にどっぷりと浸かった私は、自分が今もしシングルで交際相手がいなかったら、将来妊娠できる状態かどうかをクリニックで定期的にチェックしたうえで、卵子を冷凍しておく、と話します。

当然コストはかかりますが、お金で買える安心は買っておきたいと思うのです。

そして、生殖に関してこんな考え方をすることができるのは、リプロダクティブライツが守られているおかげです。

 

 

リプロダクティブヘルスは、1994年の国際人口開発会議で、その実現が人間を中心とした持続可能な開発と人口の安定にとって前提条件である(同上)、と世界的に認識されました。

リプロダクティブヘルスの中には不妊という概念も含まれていて、不妊対策として「適切な知識の普及と理解の促進および人権に十分に配慮した治療法の改善」のような活動を行っていくことがJICAの開発課題の一つとして記載(同上)されています。

2004年の時点で、不妊が日本における具体的課題として認識され、明記されていたとは驚きです。

 

しかし、世界ではリプロダクティブヘルスが未だに守られていない国や地域が多く残っています。

例えば、中絶に関する考え方は様々。

性と生殖に関する先進国である(と言えるだろう)アメリカでは、プロライフvsプロチョイス(中絶反対派と賛成派)の戦いが続いており、最近もトランプ大統領候補が「中絶した女性には刑罰を」と発言したばかり。

そもそも、アメリカ人の約半数を占めるプロテスタントは、中絶を容認していますが、約2割が信仰するカトリックは中絶を認めておらず、精子が卵子と受精した瞬間に命が生まれ、その命は尊重され、保護されなければならないと説いています。

不妊治療に関する考え方も同様で、実施可能な治療内容は国ごとに異なりますし、個人の治療に対して国の援助がどれだけあるかという点でも大きな違いがあります。

不妊対策どころか、性暴力が普通に行われていたり、妊産婦が健康な状態でいることさえままならないケースは多々あります。

 

改めて、女性としての健康と権利が守られ、子供が欲しいと思ったときに必要な不妊治療に取り組み、健康な子供を産むことができたことに感謝しなければならないなと感じました。

そして、性と生殖に関する正しい認識が広まり、より多くの人たちのリプロダクティブヘルスが守られますように。

子供たちが、思春期のうちから、自分が何歳から何歳の間に妊娠できるのか、どのようにして妊娠するのか、体と心は妊娠と出産によってどう変化するのか、といった生殖の正しい知識を身に着けていけますように。

自分にできることをしていきたいと思います。

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